黒歴史倉庫1「小説家になろう」
昔やってました。
PCをあさってたら当時書いてたファイルが出てきたので、なんとも言えない気持ちになっています。
誰かに見てほしいような、恥ずかしいような。
なろうひらいて投下してみるか!とも思ったのですが、アカウント名やパスワードを忘れてしまってもう入れない。
じゃあどうするか。
いつもの如くここでオナニーすることに決めました。
投下tweetするつもりもないので人の目にはほとんど入らないでしょう。
しかしね、たとえだれの目にも入らないとしても、誰かの目に入る可能性を作っておくということに大きな意味があると、僕は思うのです。
青姦最高!ww
目撃者は連絡くださいね(小声)。
遅刻
よく公園にある木製のベンチを思い浮かべてほしい。そしてそのベンチの背もたれを三倍ほどに伸ばして、思いっきり後方に反らせる。アーチ形の背もたれをしたとある公園のベンチの形がそれだ。
青空ベンチ。
その独特の形をしたベンチに、腰も背中も首も頭もその身全てを預ける。するときれいな青空を眺めることができるのだ。
だから青空ベンチ。
「こんな時間に公園だなんて本当にダメ人間ですね」
僕が青空ベンチで空を眺めていると、その視界に少女が割り込んできた。
「お前も同じだろ」
学校をさぼってこんなことをしている僕は真顔でそう返す。
「私は違いますよ。少し遅いですがこれからちゃんと行きます。社長出勤というやつですね」
そういいながら社長は真っ赤なランドセルを青空ベンチに置くと、その隣にお座りになった。
そうして青空ベンチの上には、黒い学生服を着た男と、真っ赤なランドセルと、真っ白いワンピースを着た少女が並ぶこととなった。
珍妙な取り合わせだ。その絵面の中に自分がいるということがどこかむず痒く、面白い。
「まったく、そんなんじゃ留年しますよ」
少女から突如痛烈な一言が放たれた。
言葉使いは丁寧なくせに、容赦のないセリフを乱発してくる奴なのだ。不愉快極まりないがしかし、相手はあくまで小学生。高校生である僕が、小学生ごときの容赦のないセリフをなんぞにうろたえたり、逆上したりしては格好がつかない。
ここは一つ年長者として大人の対応をすべきである。
「あり得るね」
青空ベンチから身を起こし、余裕の表情を浮かべながら言ってやった。
「……ほ、本当ですか?」
少女は狼狽えた。
僕はそんな少女の様子に狼狽えた。
「冗談だよ」
実際のところ冗談とも言い切れないが、そんな話はしたくない。打ち切るのが得策だ。
「でも、お兄さんがいうと冗談に聞こえないから困ります」
チクチクと胸が痛む。
「留年なんて言葉、よく知ってるな」
「知ってちゃいけませんか?」
「いけないってことはないけど、小学生には縁遠い言葉だろ」
「わたし、かしこいんですよ」
「ふうん」
「お兄さんよりも賢いかもしれませんね」
僕は腕を伸ばして、少女のスカートをめくった。
白のワンピースは軽く舞い上がり。白く細い足と、それ以上に白い下着があらわになる。
瞬間、少女は消えた。
直撃。
一瞬のうちに少女はベンチを離れ僕に向かって小石を投げてきた。
「いきなりなにするんですか!」
「賢い小学生は怪しい校生に近づいたりしちゃだめだぞ」
小石が当たったのは胸のあたりだった。勢いこそあったものの生地の熱い学ランを着ている僕には痛くもかゆくもない。
「通報しますよ」
「白」
また石が飛んできた。
「やることが幼稚ですね」
「石を投げておいていえるセリフか」
「小学生を怒らせると、石が飛んでくると思ってください。小学生とはそういうものです」
「少年法万歳」
「……大袈裟ですね」
「通報しないでね」
彼女はじっと僕をにらみつけ、それからひとつため息をつくとまた僕の隣に座った。
そんな彼女の振る舞いは、小学生というにはやけに大人びているのは確かだった。もしかしたらほんとうに僕よりも賢いかもしれないという気さえしてくる。
悔しいような、虚しいような、惨めな気持ちが僕を襲う。
僕はゆっくりと背もたれに身を預けて、まっすぐ空を見上げる体制に戻った。
「毎日そうやってて、楽しいですか?」
「毎日じゃないよ。週に一回あるかないか」
「昨日もやってたじゃないですか」
「昨日のは先週の分」
嘘をついた。
「じゃああと一週間は来ないんですね」
「たぶんね」
「私は学校に行ってきますね」
「いってらっしゃいませ、社長」
そうして、少女は公園を後にした。
「学校ね」
別に空を眺めることに何か意味があるわけじゃない。ただ、学校に行くよりも、勉強をするよりも、こうして空を眺めている方が有意義なんじゃないかと時々思うのだ。意味がないのに有意義だなんて、どうかしてる思うけれど、「将来必ず役に立つから」「やったことは無駄にはならない」といわれて勉強することよりも今の自分には空を見ることが必要な気がするのだ。
「学校か……」
大きな雲が風に流されて太陽を隠した。
公園の大きな時計は正午前を示していた。今から学校に向かえばちょうど昼休みだろうか。授業中に遅刻して教室に入っていくよりはいくらかましなタイミングだ。
このままだと週に一日までと決めていたサボりの掟を破ってしまうことになるし、ほんとに留年してしまったら笑えない。
確か午後は世界史と古典だったか。適当に話を聞いていれば終わる楽な授業だ。
学校をサボって欠席したことは今まで何度かあったけれど、遅刻というものは初めてであった。
僕は、緊張しながら遅すぎる登校を始めた。