自堕落

趣味というかゲームというか

サンドバック【再掲】

みなさんこんばんは。

体内時計が破損しているために夜をふかしながら憂鬱を吐く男、ニキです。

 

僕のTwitterを見てくださっている方はわかると思いますが、僕は自分語りが好きです。自慢できるような話でも、楽しかった思い出なわけでもない、糞みたいな自分の話をするのが好きです。

なにが言いたいかというと、今回の記事はそういう記事だということです。

 

 

小学生の頃の話です。

僕の小学生時代というのはキャラ変更が何度かあり、学年によってその生活がまったく異なるのですが今回は小学5年生の頃の話になります。

当時の僕は比較的明るく(五月蝿く)、クラスではいわゆるムードメーカー的なポジションにいたように思います。

 

先生の揚げ足を取って、授業の進行妨害ばかりしていたため、クラス担任からはよく「あげあしどり」と何のひねりもない呼び名を与えられ、クラスメートからは「鳥」と呼ばれ、当の僕は「俺は空べる」とわけのわからない事をほざいたり、自習の時間に机の中にある自分のお道具箱をハサミでつつき続ける等、鳥らしく奇々怪界な行動を多く取っていました。

 

クラス替えからまもない頃、自習中にうるさい僕に対して1人のクラスメートが苦言を呈しました。

「ニキくんうるさい!」

すると昨年度から同じクラスだった他のクラスメートが彼女を諭すように言いました。

「これはまだ静かな方だよ」

「このくらいでとやかく言ってたら彼のクラスメートはつとまらない」

 

僕はそんなやりとりをきいて照れくさくなりながらも、良きクラスメートに恵まれた事に喜びを感じていました。

ああ! 僕ってなんて迷惑なやつなんだ!

 

そんな僕にもトラウマがあります。

それはクラスのTくんを殴ってしまった事です。

詳しい理由は覚えていませんが、僕はTくんになにかをされ、怒りのあまり彼の顔を全力で、グーで、殴ってしまいました。

気の触れた行動の多い僕でも、他人に暴力を振るうのは稀でした。

殴られたTくんは目に涙を溜めながら僕を睨み、僕は彼と睨み合っていることができずに教室から走り去った事を覚えています。

お昼休みの出来事でした。

 

これだけならばただの喧嘩。

淡い思い出と笑ってやることもできたかもしれません。

 

翌日

20分休みになるとTくんが何人かのクラスメートに囲まれていました。

僕は昨日の一件があったのでそこから距離を置いて、休み時間は外で過ごします。

翌日も、翌々日もTくんは囲まれています。

 

僕は気まずいながらも、Tくんたちがなにをやっているのか気になってきました。

その日、僕は教室に残ってTくんの一団がなにをやっているのか眺めることにしました。

 

Tくんは、サンドバッグになっていました。

蹴られたり殴られたり、顔に雑巾を押し付けられたりと暴力を受けていたのです。

要するに、イジメでした。

原因と思わしきは、僕が彼を殴ったこと、そして彼は仕返しをせずに黙って堪えたこと、それをみた心なきクラスメートの加虐心に火がついてしまったこと。

 

怖かった。

まさかそんな事になっているとは思いもしませんでした。

彼をイジメている中には僕の親しかった友人もいます。

きっかけを作ったのは僕だという確信と同時に、激しい罪悪感、そして現実からの逃げたいという気持ちが湧き起こりました。

 

僕は弱い人間でした。

以後彼らから距離を置き、Tくん周辺を見て見ぬ振りをしながら卒業まで過ごしました。

当然Tくんは卒業までイジメられていました。

誰かに相談する気配も、誰かが助ける気配もなく、彼は人に殴られながら過ごしていました。

 

人間という生き物の恐ろしさと、自分の臆病さ、狡さをひどく痛感しました。